世界観

どっちが勝とうが負けようがど〜でもいいとは書きました*1が、一言付け加えておきましょう。
ライブドアの社長さんの言う「お金で買えないものはない」世界、あるいは「お金こそが客観的な指標であり、それを基準に物事が決定される」世界、これを受け入れられるかどうかなんですね。え?マーケットってのはそうあるべきだって?いやいや、マーケットに限らない世界観の問題なんです。マーケットってのは社会全体のシステムから独立して存在してるわけじゃないんでね。さて、「お金で買えないものはない」世界というのは、「病院での治療(緊急を要する手術等を含む)の順番をお金で決めることができる・決めるべきである」世界です*2。少々無謀な喩えですが(笑)。それを受け入れられるかどうかですね。まあ現実に社会的に一定以上の地位にある方々については既にそういう扱いがなされているわけで、そういう現実を踏まえれば、「今更どうした?」って感じなんでしょうけど。それを正面きって認めるかどうかってことです。
私はどういう立場をとるか、今ひとつ考えがまとまりません。
世の中では「自分じゃできないけど、代わりに会社の上司を殴ってくれてる」みたいな感覚でライブドアを支持する方もいるようですが、私にはそういう馬鹿げた基準で判断できる問題じゃないと思いますよ*3


さて、一通り書いてみてから、じゃあフジサンケイグループの世界観ってどんなんだろ、と考えてみましたが・・・
やっぱ金なんじゃないのかな?

*1:id:makinohashira:20050224#p1

*2:あるいは、「スターリングラードの包囲網から後方(友軍の前線)へ空輸される襤褸を纏った負傷兵の列に、暖かい毛皮のコート姿の無傷の高級将校が割り込むことは是認される」とか。しかしまあ軍隊における価値序列ってのは平常時と違うかもしれませんから、これは喩えとして適切ではないかもしれませんね。

*3:病気で会社を解雇されて失業保険もらいながら再起をはかってる方のHPに、ライブドアを応援するような記述を見かけたんですが、ライブドア的な世界観からはそのような方は経済的合理性の観点に基づいて真っ先に切り捨てられるんじゃないかな、この人はそれに気づいてるのかな、と考え込んでしまったわけです。社会保障社会福祉制度てのは現代の我々にとっては所与のシステムかもしれませんが、経済的合理性との緊張関係を孕みつつ展開されてきた人為的なシステムです。もし仮に「お金がすべて」という世界観を採るならば、それとどう両立するのか改めて説明が求められるんじゃないでしょうか。