宗教は難しい

昼食を食べながらニュースを見てたんですが、バチカンが「ダ・ヴィンチ・コード」を非難する声明を出したそうですね。追記:「バチカンが」じゃなくて「ベルトーネ枢機卿ジェノヴァ大司教)が」ですね。
その後、Webで探したら、こんな感じの記事が。でも微妙にネタバレっぽい部分があるので、これから「ダ・ヴィンチ・コード」を読む予定の方はこの記事を読まない方がよいかもしれません。
私は読んでしまった(T_T)・・・あ、でもどっかの社長みたいに「想定の範囲内です!」と強がってみたり。(TxT)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20050318k0000m030052000c.html

ダ・ヴィンチ・コード3

やっと200頁を越えました。ついつい物語に引き込まれて、大体の意味がわかりゃいいやとばかりに難しい単語は飛ばしてしまっているので、中身を味わうどころの話じゃありません*1。ということで、追跡モノとしての持って行き方は巧い感じです。ただスピード感のある展開の合間に長めの回想シーンと解説シーンが入るので、完璧ではありません。まあ一応の深みを持つ教養小説でもある(少なくとも著者はそれを意図している)のでしょうから、仕方ないですけど*2。それにしても、そんな短い時間にそんな色々考えたり話したりできるんかいっ!とツッコミを入れてしまいます。あと、追跡モノの常として、追われる側(=主人公とヒロインで両者とも聡明なはず)のお間抜けさに歯軋りすることも。これも、読者を「あ、馬鹿っ!そんなとこで引っかかってたら捕まるって!」という感じで話に引き込むためには仕方ないんですよね。
今のところ、主人公とヒロイン、追跡する警察、シラス(又はサイラス)、アリニャローサ司教の4つの流れが併行して描かれるわけですが、これからこれらが本格的に交錯してハラハラドキドキの展開が待っているのでしょう。
しっかしこの手の小説、書かれていることのどこまでが確認された歴史的な事実*3なのか、よくわからんですよね。例えばテンプル騎士団の話とか。12世紀に聖地巡礼の保護のためにエルサレムで設立され、14世紀にフィリップ4世と教皇庁の対立のあおりも受けて破門・解散という大まかな流れは西洋史の本や辞典で確認できるわけですが、ここまでだとテンプル騎士団は世俗権力に対する障害として教皇と同じ側にあることになります。「ダ・ヴィンチ・コード」の背景としてより問題になるであろう教会内部での教皇と騎士団との関係まではさすがにもう少し詳しい本を見ないと解らんです。本屋さん行くと「ダ・ヴィンチ・コード」関係の解説本が並んでるわけですね。

*1:本当は辞書と地図を見ながら読みたいところですが、主に電車の中で読んでるというのもあって。

*2:しかしこりゃ教養云々じゃなくて純粋にエンターテイメントですよね。

*3:歴史は事実じゃなくて解釈によって作られているという認識がこの種の小説の根底にあるとすれば、「事実」について語ることは意味をなさないかもしれんのですが。