ジュリーニ/シカゴ/ブルックナー

makinohashira2004-08-19

Carlo Maria Giulini/Chicago Symphony Orchestra
Bruckner, Sinfonie Nr.9 d-moll
EMI EAC-80385 (1976)

何のことはない、2年程前に中古屋さんで大量に買ったアナログディスクの山にジュリーニ/シカゴのブルックナー第9番の演奏が埋もれていたのが発掘できた。ごく普通の邦盤LP。中古で程度は良好。ジャケットは・・・いや、演奏家の姿を拝めるのも良いんだけどね。
演奏の評価は難しい。私の頭の中にはウィーン・フィル盤がしっかりと根をはってしまっていて、どうしてもそれが基準になってしまう。細部のつくりこみはシカゴ盤の方が勝っていると思う。弦楽は行き届いたフレージングでたっぷりと歌い、木管にも豊かな表情がある。金管は素晴らしく響きわたる。全体としてカチッとまとまっていて、音楽を前に進めようとする力を感じることができる(テンポもウィーン盤に比して速めだが、テンポだけの問題ではない)。が、こうした点が今の私には少々煩わしく、しつこく感じられてしまう。全体のまとまりと書いたが、縦の線はカチッと揃っているけど、立体的な構築感が希薄なような。トランペットが過度に輝かしくて一本調子に響くのもちょっとね。シカゴだからしょうがないか・・・。それに比べてホルンの音が極めて薄っぺらいのはEMIさんのせいでしょうか。まあ、たいした装置で聴いているわけじゃないし、外国プレスの初期盤とかでもないので、録音に関して云々はできませんが。
もう少し続けて聴いてみないと、この演奏の良さはわからないのかもしれない。