大統領

あちらさんの大統領選挙、またモメるんでしょうか?
そもそも選挙をしないっちゅう国もありますんで、それに比べたらマシかもしれませんが、あれで他の国の選挙に口を出そうってんだから恐れ入谷の何とやらですな。しかも「世界の」リーダーが決まる、と。別にあちらさんの国の人がどうこう言うつもりはないです。世界には色んな国があって、色んな人が暮らしていて、あちらさんもその中の一つなんですから。ただねえ、実際には「特別な一つ」なんでねえ。
あちらさんの大統領制度に興味を持ったのは何時からだろうと記憶を辿ると、大昔にNHKで放映した「権力と陰謀 大統領の密室」*1というテレビシリーズに行き着きます。ニクソン政権の誕生からウォーターゲート事件までをモデルにした政治ドラマで、モンクトン大統領(ジェーソン・ロバーズ:モデルはニクソン大統領)と、前政権からCIA長官を務めるビル・マーティン(クリフ・ロバートソン:モデルはヘルムズCIA長官)との暗闘が描かれます。マーティン長官はかつてCIAによる諸外国における政治的暗殺の責任者*2で、その活動に関する秘密報告書がCIAの文書保管室に収められています。その報告書を思いのままにできるのは大統領だけ。一方でモンクトン大統領はマーティン長官の留任を認めたものの次第にその不服従に怒りを募らせ、粗を探して罷免しようとこの報告書を含む文書を提出するように求めます。報告書が明るみに出ることはマーティン長官にとって政治的な死を意味します。彼はこれを防ぐためにモンクトンに対抗するための情報を集めますが・・・・・・といったお話*3キッシンジャーをモデルにしたテスラー博士とか、ホールドマンやアーリックマンやジーグラーをモデルにしたモンクトンの怪しい側近(補佐官)達も絡んで、ベトナム反戦、情報漏洩、中国訪問、大統領再選委員会の陰謀、そしてマーティンの女性関係等々が重層的に展開してゆく、一種の群像劇ですね。
これもDVDとか出てないのは(私にとっては)残念でなりません。

*1:原題は確か「Washington: Behind the Closed Door」だったかと。原作は元補佐官アーリックマンの著した「ザ・カンパニー The Company」。

*2:原作ではCIA主導のキューバ侵攻作戦(所謂ピッグス湾事件の際の)の責任者という設定。

*3:数年前にこれもNHKで放送していた「ウォーターゲート事件の真実」という4回シリーズのドキュメンタリーとか、あとオリバー・ストーン監督、アンソニー・ホプキンス主演の映画「ニクソン」なんかでも、ニクソンとヘルムズの緊張関係の話が出てきます。