セールストーク

あるお店である商品(高価な中古:以下A商品としましょう)の購入についてじっくり検討する機会がありました。私がその商品に明らかに興味を示して、購入まで今一歩という雰囲気を醸し出していたので、お店の方も熱が入ったのだとは思いますが、私としては一寸引いてしまうようなセールストークが展開されました。一応は大人なので最後まで笑顔でお付き合いしましたよ。結局買うのを止めましたが。
うんざりしました。
まず、その商品と比較検討対象となる商品(こっちは新品:以下B商品としましょう)を貶します。しかも性能と全く関係のないA商品の「造り」「精密さ」といったところで。B商品と比べた場合、A商品には明らかな性能上の限界(一定水準以上の「部品」を取り付けられないハンデ)があるんですが、そうした説明は一切なし。口数は多いものの、要約すれば「A商品は新品定価より安い・高級感がある、B商品は新品定価が安いけどチャチである」というだけ。じゃあなんで貴方はB商品をお店に置いているの?
さらに、予めネットで調べた別の比較検討対象商品(中古のC商品)が店頭になかったので、訊ねてみたところ、売約が入ったとのことでした。で、それ以上何も言わなきゃいいのに、「あれ(C商品)は状態が悪くて、値段だけの価値はなかったんですよ。正直私も何であれにそんな値段がついてるのか判らなかったんです。これ(A商品)の方が絶対お薦めです。」と。C商品にはそのお店の評価として星5つという中古として最高ランクが付いていたはずですし、また、その評価に相応しい値段がついてたはずなんですけど。どういうことなんでしょうか。私の店の商品にはイイカゲンな値つけがしてあります、と自白してるようなもんです。で、A商品を詳しく見てみると。案の定納得できる状態のものではありませんでした。
挙句にA商品をこの店に売った顧客やら過去にB商品を買ったお客やらをバカだと言わんばかり。多分私がこの店でA商品を買ったならば、後でB商品を買いにきた顧客の方には「A商品を買ったバカ」として紹介されるのでしょう。
やれやれ。どうやら私はそのお店の方には、この程度のセールストークが相応しい人間に見えたようです。悲しいことです。でもまあ「私の店はイイカゲンですからよく商品を調べてくださいね」と事前に警告してくれたと思えば、よかったのかもしれません。