ダ・ヴィンチ・コード6

エピローグを残してほぼ読み終えました。490頁のペーパーバックをほぼ15日で読みましたので、一日33頁ほどという計算です。最後の二日は電車の中だけでなく食事中や果ては歩きながらも読んで50頁ずつ。もっとスラスラ読めるようになりたいものです。
物語の最後の方は少々呆気ない感じもしましたが、罪ある者は相応の罰を受けました(または受けることが予想されます)し、読む者を最後まで飽きさせなかったいくつかの謎に対して巧く説明がなされます*1ので、読後感は比較的爽やかです。殺されたキュレーターの爺さんとその孫娘(=ヒロイン)への共感が薄かったせいもあるかもしれません。共感が大きいと読後感は若干変わっていたでしょう。また、私は基督教徒ではないので、宗教的な事柄から受けるインパクトは大きなものではありませんでした。枢機卿睨下がお怒りになるくらいですから、書かれていることがフィクションであるとしてもショックを受けた人は多いのでしょう。
さて、これまで途中で考え、この日記にも書いた様々な点については、正しかったものもあれば間違っていたものもあります。間違っていたことの方が多かったかな。この手の小説は読者をミスリードしてナンボですから、少なくとも私にとっては良い小説だったのだと思います。どこが正しくてどこが間違っていたのかを詳しく説明するとネタバレのオンパレードになりますので、止めておきましょう。
そうそう、一点だけ、Opus Deiの司教がこの件に関与するに至る動機がいまひとつ解りません。聖杯の秘密を得ることでバチカンに対して優位な立場に立つことはできるかもしれませんが、聖杯の中身はOpus Deiの教義とは全く相容れませんから、得た秘密によりOpus Deiと司教が世の中を支配できるほどの力を得ることにはならないでしょう。せいぜいバチカンと取引できる程度のことです。まあ取引の結果として司教が(大司教枢機卿を飛び越して)次の教皇にでもなれば、Opus Deiと司教にとっては勝利なのかもしれませんが。

*1:たぶんエピローグで最後の謎へのカギが与えられているのでしょう。これから読みます。