タキトゥスみたび

デジカメドナドナ分のお金は得たものの、これは有効に費消したいので一般会計は依然として緊縮状態。でも本は読みたい。・・・って咽喉痛いんだったら寝ろよな。
こういうときこそ積ん読状態の本を手に取るべきときです。タキトゥス年代記」の下巻。1月に上巻を読み終えてから放置してあったもの。カリグラことガイウス・カエサルの暗殺とクラウディウスの即位から統治初期までが上巻でした。下巻はクラウディウスの妻メッサリナの専横と横死、そしてアグリッピナからネロの登場です。第1回三頭政治のあたりから*1ネロとその後の内乱状態がヴェスパシアヌスによって平定されるまで*2、ローマは混乱に次ぐ混乱*3という感じですから、当時の人は大変だったでしょうね。

*1:年代記」はアウグストゥスを簡単に紹介した後でテオドシウスから本論に入るので、共和政時代は直接には扱っていません。

*2:真の政治的安定が得られるのは更に下ってネルヴァとトラヤヌスを待たなくてはなりませんが。しかしまあネルヴァから始まる所謂「五賢帝」時代の「PAX ROMANA」ってのはギボンが作り出した幻想で、実際にはネルヴァ以降も権力闘争と外敵で将に内憂外患状態だったみたいですね。

*3:アウグストゥス、テオドシウス、クラウディウスの三代は比較的安定していたとはいえ、政治的な紛争は絶えなかったわけですし。