「歌声の消えた海」

ちょっと余裕ができたので、DVDを借りてみました。刑事コロンボのシリーズでロバート・ボーンが出てる「歌声の消えた海」の入ってるやつです。ロバート・ボーン、好きなんですよね、私。懸賞で当たって船でのメキシコ旅行の途中という設定*1が常のコロンボと違いますが、犯人を動揺させて決定的な証拠*2を作らせてしまう過程はコロンボシリーズならではです*3
細かいところ(でも重要なポイント)に無理があるのは指摘されてるとおり*4なんですが、ま、いいじゃないっすか。


注釈

*1:しかもこの設定って「闘牛士の栄光」に引き継がれるんですよね(同じ旅行じゃないのかも知れないですけど)。「闘牛士の栄光」は昔昔NHKで観た思い出深い作品です。

*2:製作者が「強力な手がかり」に拘ってたことはマーク・ダヴィッドジアク(岩井田雅行他訳)「刑事コロンボ レインコートの中のすべて」(角川書店・1999年)の中で再三触れられています。)

*3:パターンは違いますが、犯人を安心させて死体という決定的な証拠を隠し場所から持ち出させる「パイルD3の壁」とか、知らず知らずのうちに犯人に自白(という程度には至っていませんが)させる「別れのワイン」とか、観てて飽きないですね。

*4:ダヴィッドジアクの本に書いてあったかと思ったら違ったので、どこかのホームページで見たんだと思うんですが、例えば「パイルD3の壁」の場合にはそもそもの死体の隠し場所がアレなんだから警察が本気で捜せばすぐ見つかるだろ、とか。そりゃ確かにそうだよな。あと、「歌声の消えた海」の場合にはあの方法で証拠を得るのは実際には難しいんじゃないか、とか。「別れのワイン」の場合にはそもそも何も立証されてないんじゃないか、とか。少なくとも「別れのワイン」については物語としてはあれでいいんですよね。容疑者に十分に精神的なダメージを与えることができれば。それにまあ一応令状をとる根拠にはなって、令状に基づいて捜索すれば何らかの痕跡が見つかるでしょうし。