架空史

 ukyarapiさんの日記(id:ukyarapi:20060821)で「万華鏡の迷宮」という本が紹介されています。占領下のフランスでゲシュタポと組になったフランス人刑事が殺人事件の謎を追う、という筋らしく、「SS-GB」と似たところがあるようです。フランスは実際にドイツに占領されてますので、架空史というわけではありませんが、興味津々。表紙が「カサブランカ」を連想させるのもイイですね。
 架空史といえば、二見文庫で「英国占領」という本が出ているようです。う〜む、こちらも興味津々。


 予定通りに新刊が出ないことで有名な佐藤大輔先生(笑)が太古の世に書かれた「レッドサン・ブラッククロス」でも、イギリスはドイツに占領されてコモンウェルスに亡命政府が存在するという設定でした。この「赤陽・黒十字」では日本が日露戦争に敗れる(奉天会戦で乃木将軍がヘタをうつ)ところが架空史の出発点でしたか。


 架空史モノは嫌いではないのですが、一つ間違うと(というか間違わなくても、かもしれませんが)単なる妄想なので、そこまでいくとちょっと・・・。最近どこのWebサイトだったかで、日本は本土決戦をしていれば戦争に負けてはいなかったはずだ、と確信をもって述べているのを読みました(こういう「設定」って流行なのでしょうか?)。想像ですが、その人にとっては本土決戦というのはヴェトナム戦争のようなイメージなのでしょうね。ここではそうした仮定をすること自体の是非は措くとしましょう。しかし論理の問題として、そもそも第二次世界大戦末期にはヴェトナム戦争時のような世界情勢というのは現出していなかったわけで、とすれば前提に無理があるんじゃないかしら?