5月、水の入った田んぼの風景が大好きだ。前にも書いたように、夕暮れどきなどは湖の中を電車が走っているかのような錯覚に陥る。あの感覚が好きだ。
 早朝はアマサギの群れを、夕方はシギのシルエットを、車窓から眺めることができる。
 秋の実りの安心感もよいのだが、これから育つものへの期待と不安というのも、あれこれ思考をめぐらすきっかけとなって刺激的なんじゃなかろうか。
 むろん、我々にとっては眺めるだけの風景も、農家の方の苦労の結晶であって、「刺激的」などと言うのは失礼な話なのだが。


 日曜に子供と田植え体験に行って、飛び回るキセキレイを見ながらそんなことを確認した。