本能寺
子供は身体を動かさんと気がすまないようですが、大人はおとなしく読書。といっても家では子供の相手をしてるので、通勤時の電車内が私の書斎。
- 作者: 谷口克広
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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天正10年6月2日は西洋の暦でいうと1582年6月21日*1、か。
この本、「よい史料を素直に読む」ことにより、本能寺の変の首謀者と真の原因に関する諸説を批判的に検討するというもの。結論として、朝廷黒幕説・足利前将軍黒幕説を排して惟任日向守(明智光秀)単独実行説をとり、原因については消去法により、信長の四国・長宗我部に対する政策が変更される中での軋轢と将来への不安を主因として挙げています。まあ、歴史小説や映画みたいなドラマ性のある結論じゃないのは仕方ありません。
引っかかる点:「よい史料を素直に読む」ことを第一としながら、筆者自身それができているのか、あるいはそうしていると十分に説明できているのか。筆者自身が留保付きで用いるべしとしている史料を、自説の論証に使う際にその留保を踏まえた使い方ができているのか、疑問に思う箇所がいくつかありました。