ロマン・ポリシェ

 バーナビー警部やメグレ警視の動画に刺激を受けたというわけではなく、単純にブックオフの100円コーナーで何となく面白そうだったので、以下のシリーズを読んでみたり。

  • ヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダーのシリーズ
  • レイ・ハリスンのブラッグ部長刑事とモートン巡査のシリーズ

 前者はスウェーデンの地方の警察署を舞台にした警察小説。北欧の暗〜い心象風景に浸ることができます。主人公が頼りにするベテラン刑事が第1作最後には早くも癌で死んでしまったり。かと思えば、第2作「リガの犬たち」では、主人公がいきなりラトヴィアの国家的陰謀に巻き込まれてスパイもどきの活躍をしたり。わけの判らんシリーズです。第3作と第4作をとばして第5作「目くらましの道」を買ってしまったので、とりあえずお休み中。
 後者は19世紀末のロンドン市警察(首都警察ではない)を舞台に、たたき上げの巡査部長ブラッグと、完璧な上流階級出身なのに何故か敢えて警察官の道を選んだ巡査モートンのコンビの活躍を描くシリーズ。エエとこのボンが巡査って・・・架空の設定でもあり得なさすぎでしょう。面白いけど。わけの判らんシリーズです。


 他に読んだ娯楽小説は:

今更という感じですが、結構読んでないもんです。


 20081007追記:一つ忘れていました。

 アスキス内閣の閣僚だったストラフォードは、フィアンセから婚約破棄を申し渡され、それと関連して政治的にも失脚するが、関係者は理由を明らかにせず、自分にも心当たりがない。このストラフォードが遺したメモワールを失業中の歴史教師マーチンが読み解いていく。すると、意外な真相が明らかに。・・・という、前に読んだビル・ネイピアをおとなしくした感じの文書読解モノ。依頼人自身が胡散臭かったり、敵か味方か判らない美女が出てきたりね。でも、ヴィクトリア時代の香りが残る20世紀初頭から第二次世界大戦後まで、セピア色のイギリス史といった雰囲気がうまく出ているのではないでしょうか。これに現代のマーチン自身の人生がうまく絡めてあって、物語としてもなかなか面白かったです。