月明かりの闇3

ということで今日読み終えた。終盤に入ってようやく盛り上がりを感じたものの、全体として散漫な印象は最後まで拭えなかった。トリックと犯人当て自体はそう複雑なものでもない。しかし、中途半端な仄めかしやセリフの中断といったカー独特の手法(?)がこの作品では煩わしく思えたし、また読者である自分が今何処にいるのか理解できない、雲の上を歩くような感じを覚えた。トリック云々よりも心理劇であるべきなのに、登場人物が巧く描かれていない(この点は解説でも示唆されている)せいだろうか?
どうでもいいんですけどね、カー先生、いや、マエストロと呼びましょうか、メンデルスゾーンって、そりゃないですよ。勘弁してください。
これは物語とは直接関係ないけど、題名「Dark of the Moon」ってどう訳すのがいいんだろ。あと、訳で違和感があるのがフェル博士の台詞回し。何でわざわざ丁寧語なの?これ訳した人ってJDCのこれまでの翻訳読んだの?ぶぅぶぅ