ローマ帝国第3集

やはり映画「キング・アーサー」の世界でした。時代的には若干異なりますが。「キング・アーサー」は辺境防衛の実情とアルトリウスの超人的な活躍が主題なので、帝国内部の繁栄(虚飾の)との対比という視点はそれほどはなかったわけです。NHKスペシャルの方は勿論歴史ドキュメンタリーですから、「パンとサーカス」と軍事とが帝国をどういう方向に導いていったのかというのがテーマで、その点は解り易かったと思います。ハドリアヌスの改革の試みと守旧派の抵抗なんて、もう少し時間をかけて描いてもいい政治ドラマじゃないですか。
いずれにしろ内容的な新鮮さはそれほどにはないですが、見せ方は巧いですね。CGもそうですが、周囲11kmの城壁から出発した都市国家が最盛期を経て、蛮族の侵入に怯えつつまた城壁に閉じこもるというエンディングのまとめ方。でその城壁に使われた大理石欠片達がその頃のローマの窮状を余すところ無く伝えていて、感動的ですらあります。
細かい点に関しては、以前読んだエイドリアン・ゴールズワーシー(遠藤利国訳)「図説 古代ローマの戦い」(東洋書林・2003年)が予習として役に立ちました。
ところでこのシリーズって3集で終わっちゃうの?一寸尻切れトンボでないの?ぶーぶーぶー
未だに第1集を観てないんですね。で本が出てたんでパラパラと立ち読みしたら第1集では一応建国期から共和制を経てアウグストゥスへっちゅう流れを概説してるんですね。録画したテープどこにやったかな。*1

*1:第2集に関してはid:makinohashira:20041128#p2