ドイツ

タキトゥス年代記」の下巻を早く読まないと上巻からのつながりを忘れてしまいそうですが、最近電車の中では鳥の本を眺めてることが多いので、なかなか・・・
こういう時にはエッセイほどの分量の独立した文章で成り立っている本で、少しずつ調子を上げていくのがよさそうです。で、探してみると良い本がありました。出た当初に買って7年以上も寝かせてあった本です。
小塩節「ドイツのことばと文化事典」(講談社学術文庫・1997年)
 

ドイツのことばと文化事典 (講談社学術文庫)

ドイツのことばと文化事典 (講談社学術文庫)

ドイツの四季に関する37項目と文化の諸相14項目について、言葉の背後にある文化的な実体を解説している本です。エッセイというほど軽くはありませんが、カチコチの学術書というわけではありません。体系的でもありませんし。でも非常に読みやすく、かつ有益な本です。音楽その他の芸術の話はもちろんのこと、季節の料理や行事、宗教観、歴史、社会制度等々、様々な観点からの興味深い考察が詰まっています。途中までしか読んでいませんが、ドイツ滞在中の筆者がパリに遊びに行った際にレストランでフランスの女性と「じゃがいも」を巡って問答になる部分なんか、ドイツの枠を越えてヨーロッパとか世界という枠の中での人間のありようについて、軽く暖かく且つ冷静な視線で観察していて面白いなと感じました。


注釈