ライナーのマイスタージンガー第3幕

 フリッツ・ライナー指揮、1955年ウィーン国立歌劇場再建記念公演のヴァーグナーニュルンベルクのマイスタージンガー」いよいよ第3幕です。遠い昔の記憶ではとにかく酷かったのですが、今このOrfeoの盤を聴いてみると思っていたほどではありません。いずれにしろ褒められた演奏だとは思いませんが。


 確か第5場の懸賞歌の場面でハンス・バイラーのヴァルターが声を裏返らせるはリズムがおかしいはでメロメロだったはずなのです。でもこのCDではそこまで悪くありません。歌い方は変だし、全く盛り上がらないのですが、声がひっくり返ることはありませんね。う〜ん、記憶違いかなぁ。悪い記憶が増幅されてしまったのかなぁ。まさか昔のMelodoramと別の演奏?ってことはないよな。
 第4場の最後の五重唱も、もっとバラバラだったと覚えているのですが、このCDでは遅〜いテンポで辛うじてアンサンブルは成立しています。


 う〜む。


 しかし第4場のザックス(シェフラー)とエーファ(ゼーフリート)は心底酷い。指揮者の棒と全く呼吸が合いません。ヘンテコなタイミングで妙にヒステリックな叫び声をあげるし。トリスタンとイゾルデからの指示動機が出てくる辺りでも聴いてる方は醒め醒めです。
 収穫はやはりエーリヒ・クンツのベックメッサーだけか。


 う〜む。


 最後に合唱が止めを刺します。常に鈍重。ライナーが鋭さを求めているのであろう箇所では全く対応できません。非常に不安定。聴いててハラハラします。第2幕ラストが最悪ですが、第3幕でも第5場の最初でヒヤリ。


 フリッツはやればできる子のはずなのに。やっぱリハ不足かなあ・・・
 まあ、再建記念のお祭りですから、何でも許されるのでしょう。南無南無。


 

Die Meistersinger Von Nurnberg

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