死体をどうぞ

 

死体をどうぞ (創元推理文庫)

死体をどうぞ (創元推理文庫)

 久々にミステリの話など。ドロシー・セイヤーズの「死体をどうぞ」です。
 他に本を読んでないわけじゃないんですが、仕事絡みの本のことなんか書いたって面白くもなんともないですから。
 この「死体をどうぞ」もピーター・ウィムジー卿が探偵役をつとめる一冊です。翻訳が出た当初に買って、そのまま8年も寝かせておいたことになります。結構分厚い本で、最初の5頁ほどで何か躓いたんだと思います。今回はすんなり読めました。
 途中までは死体無しで引っ張って、死体が見つかるとアリバイ崩しが本格化して最後まで持っていくという、あまり長さを感じさせない構成ですね。怪しい人物が山ほど出てきますし。ロマノフ家ですし。犯行時刻とアリバイの謎は複雑なものではありませんし、手がかりというかヒントも与えられているので、注意深く読めば途中で謎を解くことができます。
 が、最後に警部が懸念しているように、これって陪審員を納得させることができるんですかね。決定的な証拠に欠けていますよね。う〜む。何だか能天気な終わり方だけど、何か納得いかないなぁ。