モントゥーのフランク

 セザール・フランク交響曲ニ短調、モントゥー、フォン・カラヤンコンドラシン、そして新に入手したヘレヴェッヘなどをとっかえひっかえ聴いています。さすがにこの曲だけを聴いてるわけじゃないですが、結構飽きないもんですね。
 で、今日はピエール・モントゥー指揮シカゴ交響楽団の演奏について簡単に書いておこうと思います。
 

Franck: Symphony in D Minor (Hybr)

Franck: Symphony in D Minor (Hybr)

RCAの古いパピヨンコレクションという(妖しい名前の)蝶のイラストのCDの頃からの愛聴盤です。SACDのハイブリッド盤を安く売っていたので買い換えました。


 1962年の録音なので流石に金管の高音がビリついたりします。が、基本的には澄んだ良い音がします。速めのテンポでアッサリ風味。でもダシがきいていて美味。という感じでしょうか。ジュリーニの1957年録音と似ていますが、テンポ変化はより控えめで、音はより透明で輝きがあります。といって過度に派手にはなりません。シカゴ響といえば力強い輝かしい金管の響きが特徴ですが、この演奏では弦や木管と適度なバランスを保っており、金管だけが突出するということはありません。
 フランクの交響曲に、よく言われるオルガン的なフレージングと音響を求めるならば、このモントゥーの演奏など最適ではないでしょうか。
 それよりも何よりも、格好良い演奏なんですよね、これ。


 さて、この演奏、ヴァイオリンが両翼配置なんですね。指揮者の左手に第1Vn、左手に第2Vn。第2楽章のスケルツォなどで第1と第2が交互にフレーズを受け継いでいく箇所があるのですが、この配置だと音が左右に飛んで面白く聞こえます。作曲者のフランクが意図した響きなのかどうかはわかりませんし、ヘタすれば第1と第2がバラケてしまってだらしなくなりかねませんが。どっちがいいんでしょうね。第1と第2がまとまって聞こえた方が良いような気もしますし。