マーラーの10番再び

 以前酔っ払った状態で聴いたマーラー交響曲第10番。その時にはピンとこなかったので聞き直してみました。
 ミヒャエル・ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団のこれです

Symphony No 10

Symphony No 10


 某ちゃんねるのような掲示板には落涙したという感想まで見られるのですが・・・
 やはり私にはわかりませんでした。少なくとも涙は出ませんでした。一応マーラーが仕上げたというアダージョも、どうもいま一つ何か足りないような。
 全体としてはデリク・クックさんの復元版で、「これこそがマーラーの意図じゃっ! というのではなく、マーラーの残した素材をとりあえず演奏可能な状態にする試み」みたいな控えめな姿勢で作られたものらしいですね。偏屈なギーレン氏もそのへんの姿勢を評価して録音に踏み切ったということだそうです。
 たぶん素材をうまく繋げてはいるのでしょう。でも立体的ではないし感動的でもない。う〜ん、マーラーが完成したものではないと知って聴くからこういう感想になってしまうんでしょうか(知らずに聴いたら別の感想になるのかな)。他の演奏、他の版も聴いてみないといけませんね。ああ、でもこの曲に散財する気にはなれないかも。