パイド・パイパー

 さて、ブックオフでこんなのを買ってきて読んでます。
 

パイド・パイパー - 自由への越境 (創元推理文庫)

パイド・パイパー - 自由への越境 (創元推理文庫)

 ネヴィル・シュート「パイド・パイパー ― 自由への越境」
 第二次世界大戦中、ロンドン空襲のさなかに「私」がクラブで知り合った、引退した弁護士ハワード氏。「私」はハワード氏の話に引き込まれていきます。その話とは・・・息子の戦死の悲しみを紛らわすためにフランス南東部に釣り旅行に来ていたハワード氏。ちょうどドイツ軍のフランス侵入に直面します。スイスで働く国際連盟職員のイギリス人夫妻から2人の子供を預かり、イギリスへの帰国を目指しますが、ドイツ軍の進撃速度は思うより速く、子供を連れた旅は困難を極めます。しかも途中で連れて行く子供の数が増えていき・・・。
 1942年に書かれた本のようです。まだ戦争中ですね。途中、避難民の列が空襲を受ける場面などは穏やかな筆致ながら黙示録的です。暖かい6月の田舎を戦争が蝕んでいく、何ともいえない雰囲気ですね。


 ネヴィル・シュートといえば「渚にて」を思い浮かべますが、こんな本も書いていたんですね。