The Historian その2
- 作者: Elizabeth Kostova,Joanne Whalley,Dennis Boutsikaris,Rosalyn Landor,Martin Jarvis,Robin Atkin Downes,Jim Ward
- 出版社/メーカー: Hachette Audio
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: CD
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お母ちゃんがドラちゃん一族とか、そんな単純な話ではないようです。
今のところ話が四層構造になっています。
- やがて「私」の父の指導教授になるロッシ氏の1930年代における調査記録。オックスフォードでのロッシの同僚の不可解な死。
- 1950年代のハーヴァード。父の指導教授になっていたロッシ教授の失踪。父とヘレン(ロッシの娘と称する)との出会い。ロッシ捜し。まだ読んでないけどたぶん父とヘレンとの間に「私」が生まれ、ヘレンは失踪する模様。
- 1970年代のアムステルダム及び旅先の諸国。16歳の「私」と父との関係。過去の1及び2の出来事を「私」に語る父。「私」の周囲でも不可解な死が起こる。そして父の旅立ち。
- 「私」がこの記録を綴っている現在=2008年(何故か2006年ではない)。
失踪した教授の調査記録中の書簡が「我が親愛なるそして不幸な承継者よ」で始まってまして、この「承継者」というのがどんな基準で決まってくるのかという・・・う〜む。2の層ではついに吸血鬼化した司書が現れ「我が主は不公平にも、望みこがれていた私を連れて行ってくれず、望んでいなかったロッシを連れて行ってしまった。」などと語ります。歴史家であることと承継者であることはどんな関係にあるんでしょうか。う〜む。
ということでなかなか面白いです。マッタリと重い歩みで物語が進んでいきますので、ダン・ブラウンのような軽やかなスピード感はありません。でも四層構造が、やがては一本の糸によって結ばれるであろう様々な謎を提示してくれるので、飽きさせません。私はダン・ブラウンよりこういうのの方が好みかも。