ブクステフーデ

 ブクステフーデ「我らがイエスの御身体 Membra Jesu Nostri」
 (7つの部分からなる連作カンタータ

Membra Jesu Nostri

Membra Jesu Nostri


 十字架上のイエス、その身体の部分部分を想いいたわる曲で、「足について Ad pedes」「膝について Ad genua」「手について Ad manus」「脇腹について Ad latus」「胸について Ad pectus」「心について Ad cor」「顔について Ad faciem」の7つの部分からなります。一種の受難曲ですね。ごく小編成の弦楽器とオルガン、それに声楽(各部2人)というアンサンブルで、素朴な木質の響きがします。
 繊細で時に刺激的。整った(しかしただ整っているというだけではない)アンサンブルが見事です。BISによる録音のよさにもよるのでしょう。立体感のある澄みきった音がします。ドイツの地方都市の小さな教会なんかで聴けたら最高なのでしょうけど・・・
 1997年3月・神戸での録音ですので、十年近く前なのですね。バッハ・コレギウム・ジャパンBCJ)のCDが出だした頃の作品ということになりましょう。BCJは良い意味で安定した活動をしているようです。久々に聴きにいきたくなりました。
 この曲、クリストファーズ指揮のザ・シックスティーンによる演奏が定番のようですが、そちらは未だ聴いていません。
 カバーの写真は磔刑の木彫。茨の冠の荒々しい様子が心を打つのと同時に、虫に喰われた痕が痛々しくみえます。