チョコレートの箱

 「名探偵ポワロ チョコレートの箱」
 TVシリーズの中で私が一番好きなエピソードです。ブリュッセル時代の、まだスマートで髪も少し残っているポワロ。第一次世界大戦前の政治情勢・宗教問題・ドイツの陰。明らかにされるアンフォーラのブローチの由来。余韻を残す事件の結末。ラストは20数年後のヴィルジニー・メナール(旧姓)とのやり取り。ポワロの目が潤んでいるように見えるのは私だけでしょうか。
 「二重の手がかり」のロサコフ伯爵夫人もいいけど、このエピソードのヴィルジニーは格別です。
 ヴィルジニー役のアンナ・チャンセラーは、どっかで見たなと思ったら、映画「フォー・ウェディング」でヒュー・グラントの昔の恋人の役をやってた人でした。この映画では太い眉と割れた顎の怖い女ですが、「ポワロ」では同じ顔が自立心のある美しい女性に見えるのだから不思議なもんです。