舞台裏の神々

 「ピアニストが見た・・・」を買う時に立読みしてて面白かったのは
 

舞台裏の神々―指揮者と楽員の楽屋話

舞台裏の神々―指揮者と楽員の楽屋話

同じ著者の「指揮台の神々」と対をなす本です。
 私、カール・ベームが大好きで日記でも幾度となく言及してます。他方で日本でのイメージと違ってベームが陰険な意地悪ジジイだったってことは知識として知ってます。この「舞台裏の神々」にはベームに関して一章が設けてあって、具体的なエピソードが満載でした。そりゃ嫌われるわな、こんな感じじゃ。この本には出てきませんが、共演が多かったはずのヴァルター・ベリーやシュヴァルツコップフなんかもベームを嫌ってたみたいですね。
 こういうのを読むと、私ってベームに似たタイプの人間なんじゃないかと思います。ベームのように耳の良い優れた指揮者になる資質は持ち合わせていませんので、あくまで人間としての話ですが。弱い者に強く、強い者は避け或いは利用し、ケチで、自尊心が強くて・・・それでもカール・ベームの遺した演奏(録音)は偉大です。派手さがないせいか、死後急速に忘れ去られた、というのが一般的な評価ですが、安定したカッチリした内容のある演奏というのは有難いものです。
 私は・・・偉大な功績は遺せそうにありません(笑)