クレンペラー欲しい

 オットー・クレンペラーのウィーンのライブ8枚組、欲しい。
 以前グラモフォンで出た「運命」と「未完成」のカップリングは持ってます。同時に出たブルックナーの第5番は買い逃してます。で、この「運命」と「未完成」がいいんです。1968年のウィーン・フィルとのライブですが*1、晩年のクレンペラーのイメージとは違います。晩年のクレンペラーといえば、重い足取りで細部を描きこんで且つ壮大な全体を表現するという感じで、それはそれでいいのかもしれません(それこそがクレンペラーだという人もいるでしょう)が、それにより音楽から失われるものも多いんじゃないかと。音楽之友社の名作オペラブックスという翻訳本のシリーズがありますして、あれのモーツァルトフィガロの結婚」の推薦ディスクの項目で、クレンペラーの録音の評価が載っていて、驚くべき精密さと引換えに革命精神は氷付けにされてしまいガラスケースに入れられたようだ、といった感じだったと思うんですが、頷けるものがあります。でも、このウィーンでのライブは違います。音楽の息遣いが聞こえるんです。
 ということで、「運命」「未完成」以外の演奏も入った8枚組、惹かれます。非常に惹かれます。

*1:20050924追記:以前グラモフォンで出ていた演奏と、今回のTestament盤は、日付が異なっています。グラモフォンの「運命」「未完成」は手放してしまったので、演奏の異同を確認できません(涙)。