シューベルトの大ハ長調交響曲

 id:makinohashira:20050911#p2で話題にしたD.944の大ハ長調交響曲のお話。
 仕事帰りに音楽屋さん(?)に寄って、スコアを少しだけ立読み。音友から出てるフィルハーモニア版のミニチュアスコアなんで、新全集云々なんていう気の利いたもんじゃありませんが。
 第1楽章は序奏が4分の4拍子Andanteで始まって、主部のところで2分の2拍子のAllegro ma non troppoになってますね。
 昔の演奏だと主部に入ったときに2分音符をそれまでの4分音符と等価にするような形でAllegroに加速してるんですね。主部の最初には2分の2拍子で一小節の中に「付点4分音符・8分音符・付点4分音符・8分音符」が入っていますが、この「付点4分音符+8分音符」のセットが序奏部の4分音符1個分になってしまっているわけです。Allegroの基準が2分音符になっていると説明することもできるでしょう(2分の2拍子なんだから!)。
 でも4分の4拍子と2分の2拍子を(算術計算そのままに)等価と考えるならば、昔の演奏のような加速はおかしい。で、Allegroを4分音符基準で考えて加速するんだけれども、昔の演奏に慣れた耳には、主部に入ってむしろスピードダウンしたように聞こえる、と。ジュリーニやギーレンの演奏はこれだったんですね。