TUMIとのおつきあい

 さて、そのコインケース*1
 そういえば、TUMIとのおつきあいは10年ほどになります。1995年でしたか。急に1週間ほど中国に出張に行くことになって、ナイロン製の縦長キャリーオンを買ったのが最初でした。当時、縦長は2種類あったと思います。その小さめの方。他のメーカーの同じようなソフトケースに比べると高かったですが、真っ黒で頑丈そうだったので*2。ホイールが大きめだという点も売り子さんのアピールポイントでしたね。確かに石畳の道を転がしたりするのに便利でした。体力のない私には大きさ的にもピッタリ。
 思えば1987年の1ヶ月旅行の際には知人に借りたドデカいスーツケースを転がして行ったのでした。これが始めての海外旅行*3。それから間があいて、1994年頃に知人の結婚式に出るために10日ほど南半球に行ってますね。このときはリュックにもなるダッフルみたいなのにスーツなども詰めこんで。こういうときこそスーツケースだったでしょうにねぇ。
 TUMIを買ってからは出張や新婚旅行を含めて海外は全てこれでまかなってきました。新婚旅行に真っ黒のTUMIってのは流石に少し「?」だったかもしれません。まあ忘れましょう。贅沢旅行でも貧乏旅行でも、荷物は可能な限り少なめに。下着は現地で洗濯。わざとボロボロのを持っていって最後にはビニール袋に入れてゴミ箱にポイして帰ってくることも。カッターはホテルのクリーニングに。出張の場合の資料はなるべくPCの中に。帰りのお土産も小さい物を最低限しか買いません。2週間程度の旅行はこれプラス肩掛けカバン一つ(出張ならPC入り、私用ならカメラ入り)。気楽なもんでございました。


 その後、あちこちでTUMI売り場やTUMIを使っている人を見かけるようになりました。特にブリーフケース。でもブリーフケースに関しては既にお気に入りがあったので、暫くはTUMIに目が向くことはありませんでした。


 そして2003年にナイロン製のマチが広がるブリーフ「Expandable Organizer Brief」を購入*4。それまで使ってきた革カバンがだいぶ頼りなくなってきたので、少し前から目をつけていたのを買ったんだったと思います。背面の下部がジッパーで開くようになって、キャリーオンのハンドルに通せるという優れもの・・・なんてとこにも惹かれたわけです。が、実際にキャリーオンとくっつけて使ったのは1回のみ。それも正月に里帰りをするときという。ここんとこ海外出張などという景気の良い話は少なくなりましたし(元々多かったわけじゃないし)、話がきても面倒くさいのでアレコレ理由をつけて断ってます。子供が生まれてからはプライベートな旅行も減って・・・。ということで、このブリーフケース、辞書やらPCやら何やら重い荷物を詰め込まれたり*5、雨やら埃やら粉やら様々なものに晒されたり、火のついたタバコを手に持ったマナーの悪い馬鹿オヤヂとすれ違うときにタバコが掠って繊維が溶けたり、家人に追われたゴキブリに逃げ込まれたのでチャックを閉めて隙間から内側に殺虫剤を噴霧されたり、本来のエグゼクティヴな使い方(笑)など一つもされないままに草臥れはじめています。合掌。この調子で使いつづけてもあと5年はもつでしょう。梅雨の時期は革カバンよりやはりTUMIですね。気を遣わなくて済むので楽でいいです。
 不満点は二つ。一つは上で「惹かれた」と書いた、キャリーオンのハンドルに通せるように背面下部に設けられたジッパー。この持ち手の金具がパンツに擦れるんです。ジッパーの端に金具を隠せるかぶせ布をつけて欲しかった・・・。もう一つは収納スペースの位置。背面側が書類やPC入れになってますね。で、表面側のメインコンパートメントのマチが広がるようになってるので、短期の出張などの場合には表側に着替え等を入れることになります。PC類の保護のためということなのでしょう。けど、私は逆の方がいいですね。私の普段使いでは、ページ数の多い本や辞書の類を入れようとすると背面側の書類入れは狭いので、表のメインのコンパートメントにこれらを入れることになります。電車などで表面を上にして置くと、本の重みでノートPCが圧迫されることになって気分がよろしくありません。出張先でも、カバンの裏の方から書類をゴソゴソ出すのは何かちょっと変なような気がします。
 まあ、いずれも大した不満じゃありません。


 さて、先日触れたコインケース「Coin Purse」*6を買ったのはこの前後だったと思います。これはナパ革のもの。家人に誕生日プレゼントとしてボックス型の小銭入れをリクエストしていたものの、なかなか「コレ」というのが見つからず、ふとのぞいたデパートのTUMIコーナーにチョコンと置かれていたのがこれでした。75 x 50 mmという小ささが非常に魅力的で*7。現行のものだと型番17021というのがありますね。でも80 x 70 mmと大きくなってしまって、しかも変てこな赤のワンポイントが入ってしまって・・・赤い革がね、わざわざ縫い付けてあるんですよ。しかもこの革の裁断の仕方や縫い付け方が美しくない。何故に・・・(涙)
 ああ、TUMIを長持ちさせるための併用コインケース、何かイイのないかな。


 ということでTUMIはこの3種類。いずれも現役。でもこれ以上TUMIが増えることはありません。結局10年前にキャリーオンで刷り込まれたイメージが私の中のTUMIなわけで、それと異質なTUMI、華やかなTUMI、細かな技を利かせ過ぎるTUMI、現在の(そしておそらく近未来の)TUMIを、私は受け入れることはないでしょう。

*1:id:makinohashira:20060614#p1参照。

*2:TUMIというブランド名はモバイルPC系の本や雑誌で既に目にしていました。「モービルコンピューティング・・・」とか「ロードウォリアーのための・・・」とかいう本が、押入れのどこかを探すと出てくると思います。当時は「モバイル」じゃなくて「モービル」って言ってたんですよね。ノートPCの入れ物としてのバッグには当時それほど関心はなかったので、本で紹介されていても日本のデパートで売っているとは思っていませんでしたが。

*3:そういえば、1987年の旅行と1996年の欧州出張のおかげで、私の血は汚染(クロイツフェルト・ヤコブ病)されている可能性があることになっているわけでして(id:makinohashira:20050307#p1)。ニンともカンとも。

*4:当時の型番で204だそうです。現行のものだと型番26141か26160に当たるのでしょうか。現行のものは細部で様々に工夫がされて使い勝手が向上しているようです。

*5:先日、一番重いと思われるときに量ってみたら、8キロ近くありました。そりゃ肩も凝るわな。

*6:型番03721D かな。画像のペンケースの左に写ってるやつです。

*7:それまで使っていたクリスチャン・オジャールかどこかの―――今もとってありますが、磨り減ってしまってブランド名が読めません―――ボックス型が60x60mmくらいのものだったので、小ささは重要なポイントだったのです。家人もそれを理解してくれていました。