独立革命

 友清理士「アメリカ独立戦争(上)(下)」を読み返したものの、マカルーの「1776」には踏み込んでいません。
 それにしても、1775年にレキシントン=コンコードでの衝突をきっかけに独立戦争が始まってから、アメリカ側の大規模かつ明確な勝利って1777年のサラトガと1781年のヨークタウンくらいしかないんですね。何だか読んでて「項羽と劉邦*1を連想してしまいました*2。ワシントンが劉邦。負けて負けて負けて、間にチョコチョコ勝って*3、負けてる間に地位から追われそうになったりもして、でも最終的には何故かイギリス側を四面楚歌状態に追い込んじゃってるという。イギリス側は(項羽的な傲慢もあって)植民地人の中の忠誠派をうまく組織化できなかったのは大きいんでしょうけど、それよりも地理的要因からくる補充等の困難や陸海連携の失敗、その根本にある本国政府の現地情勢への無理解というのが敗因なんですね。あとは外交の失敗。項羽と劉邦の世界に周辺異民族がどのように関係していたか、あまり読んだ記憶がないので、この辺のうまい喩えは私には無理でした。
 ということで「項羽と劉邦」とそのまま重ねるのは無理がありますが、こんな風に読むのも面白いかな、と。

*1:これに関しては「史記」と高校世界史と司馬遼太郎の小説くらいの知識しかありませんが。

*2:あるいは日中戦争あたりに喩えてもよいのかもしれません。が、物騒なのでやめましょう。状況も違いますし。

*3:しかもサラトガで勝った際の直接の指揮官はワシントンじゃなくてゲイツですからね。