クレンペラーのマーラー聴き較べ

 思えば去年の秋、オットー・クレンペラー指揮ウィーン・フィルのCD8枚組BOXセットを買ってせっせと聴いていましたね。今日は独りきりの時間ができたので、このBOXセットに入っているマーラー交響曲第9番を聴きかえしてみました。
Klemperer: Live Broadcast Performances
 この演奏に触れた過去の日記
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 ついでに、同じくクレンペラーがニュー・フィルハーモニアを指揮してEMIに入れたスタジオ録音と聴き比べ。こちらは持っているのがアナログ盤(独エレクトローラの1 C 153-00 617/18)。久しぶりにターンテーブルを掃除・調整してまわしてみます。埃を拭って、針を掃除して、針圧を調整して・・・ってどんだけ放ってあったんや。そうそう、CD聴いてる間に真空管のフォノイコライザーを温めなきゃ。アナログレコードは心と時間に余裕があるときじゃないと聴けません。でも1960年代・70年代の特にEMIなんぞを聴くにはアナログの方が圧倒的に気持ちが良いですね。私の安オーディオ装置ですら差が出ます。EMIさん、CDのリマスタリングもっともっと頑張ってください。ってオリジナルマスターの保管状況が悪けりゃリマスタリングにも限度があるだろうけど。
 これはEMIのCD 
Symphony 9 / Siegfried Idyll


 全体としてはNPOとのスタジオ録音の方が整っていて、クレンペラーのやりたいことというのがよく判る気がします。一つ一つの音、一つ一つのフレーズを、冷静に、見取り図にしたがって有機的に結合していく営み。遅くてズッシリ重い第2楽章などを聴くと、ああ、クレンペラーの世界、とも思います。でも、第4楽章はやっぱりウィーン・フィルの方かなぁ。弦の音色が違います。表現の幅か広くて立体的なのはNPO盤。心を奪われるような美しい音、心を締めつけられるような哀しい音がするのは、ウィーン盤です。単に録音のせいなのかもしれませんし、クレンペラーの求めた表現とは違うのかもしれませんけどね。でも、この終楽章を聴けただけでもこの8枚組BOXを買った意味はあったな、と再確認できました。
 ちなみに8枚組8枚組と連呼してますが、ウィーンフィルとの演奏はその後バラ売りされていたかと思います(苦笑)
 バラ売りのマーラー9番はこんな感じ
マーラー:交響曲第9番