大人買い?
ストレス解消には、酒とCD、そして買い物ですな。ホント、駄目人間になりきってます。
買い物といっても時間かけてらんないんで、ネット通販。主にアマゾンで本やCDを買うわけですが、今回CDを買うのに初めてHMVを使ってみました。アマゾンで在庫無しのCDがHMVだと買えそうだったのと、HMVの方が安いCDがいくつかあったから。会員登録しようとしたら、「既に登録されています」だって。3年前に登録だけして忘れてたよ。
で、今回特に欲しかったCDはピエール・フルニエが演奏するバッハの無伴奏チェロ組曲。フルニエの無伴奏の録音は、
- 1959年のジュネーヴでの一発録り放送録音
- 1960年のアルヒーフ・レーベルの正規録音
- 1972年の東京でのライブの録音
- 1970年代半ばのフィリップス・レーベルの正規録音
の4種類があるようで、注文したのは1の一発録りのもの。一年ほど前に近所のタワレコで見かけたときにお金がなくて買えず、一週間後に行ったら売れて無くなってて、以降気になりつつも見つからない状態でして。で、最近「あ〜、やっぱり疲れを癒すのはチェロだよチェロ。エルガーのチェロ協奏曲もいいけど、ここはバッハの無伴奏かなあ。そういえばあのフルニエのCD気になってたんだよなぁ。」などと思いウェブを検索してみたら、HMVで在庫はないけど1週間ほどで入荷できるってなってたので注文してみたわけです。
輸入CD3枚以上まとめ買いだと値引きありだそうで、更に代引き手数料を考えれば何枚かまとめて注文しとけ、ってことで、
- またジャケ買いか?エレーヌ・グリモーの企画もの「クレド」のSACDハイブリッド
- 何故かボッシュ指揮アーヘン交響楽団のブラームス交響曲2曲(第1番と第4番)入りSACDハイブリッド
- これもタワレコで買い逃したビル・エヴァンズの「ポートレート・イン・ジャズ」のSACDハイブリッド
を併せて注文。もしフルニエのが「やっぱ廃盤で駄目でした」なんてことになっても、3枚あるから割引は維持できるぜ、というせこい計算も入ってます。「チェロだよチェロ」などと言いながら、結局チェロは一組だけ。「疲れたおやぢは知的な美貌のグリモーに癒してもらいたいのさ」とか「疲れたおやぢの背中には渋いブラームスが似合うのさ」などと妙な理屈をつけて選んだのでした。
で、全部無事に届きました。凄いぜ、HMV。でも本を売ってないから、アマゾンさんとも仲良くはしたいわぁ。
まず聴いているのは、「チェロだよチェロ」と意気込んでいたのを忘れて、ブラームス。第1番はベーム指揮ベルリン・フィルを、第4番はジュリーニ指揮ウィーン・フィルを愛聴してきましたが、若手の新しげな怪しげな録音を聴くのも良いかな、二曲入りで安いし、なんてことで気軽に。マルクス・ボッシュ(Marcus Bosch)は1969年生まれで現在アーヘンのカペルマイスター。アーヘンと言えば、若き日のフォン・カラヤンが音楽監督を務めていたところ。こういう比較的小さな街のオーケストラやオペラハウスを若手や中堅が振ったCDがいろいろ出てて、しかも日本で手に入るわけですから、面白いですしお互いに幸せですよね。
演奏は・・・早いテンポでザックリと。「疲れたおやぢの背中には渋いブラームス」という購入コンセプトとは適合していませんね。それなりに堂々としていて、破綻があるわけじゃないけど、少々物足りない。特に弦の音色がバラバラで、フレーズの処理も杜撰なのが、わたくし的にはマイナス。例えば第4番の第4楽章のシャコンヌ(あるいはパッサカリア)にはもう少しちゃんとした流れが欲しい。フレーズの感じ方が短くて、しかもそれらがドサッ、ドサッと放り投げられていくように聞こえてしまう。古楽系の演奏法を取り入れてる(?)としても、いかがなものでしょうかね。という風に聴いていくと、二流まではいかないけど一流じゃないよな。でもこういう演奏会が身近で頻繁に開かれている環境って羨ましいな。
ということで、昔聴いてブチ割りたくなった(借り物だったのでブチ割れなかった)ウーヴェ・ムント指揮の京都市交響楽団のシベリウスだったかな、あのCDに比べたら100倍マシ。
と同時に、N響って一流のオケなんだな、なんてことも気づかせてくれるCDなのでありました。
- アーティスト: Brahms,Aachen Symphony Orchestra,Bosch
- 出版社/メーカー: Coviello Classics
- 発売日: 2007/05/29
- メディア: CD
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