指揮棒
黄色いレコード屋さんのついでに本屋さんにも寄って、久々に立ち読みなど。やはり立ち読みは重要です。買おうと思っていた本があったんですが、一寸確かめてみると内容の大半は同じ著者が前に出してる本の焼き直しだったので、買うのは止めました。ネットだとこういうのを確かめられないし。さらに、本棚をボーッと眺めてふと目にとまった本が中々いけた、なんてこともできないし。
そうなんです。ボーッと眺めていたら、おもしろそうな本がありまして。
- 作者: エックハルト・レルケ,野口剛夫
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 単行本
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指揮者にとって指揮棒とは何か、指揮棒を使うべきか否か、といった「指揮棒」を巡るいくつかのテーマについての、数十人の指揮者へのインタビュー集。何ともコアな、何とも暇な、なんて言っちゃいけないんでしょうけど。読むと非常に興味深い。要不要の問題と、その問題を考える際のポイントとしての指揮者の側からの伝えやすさ、楽団員からみた解りやすさというのは基本になる点ですが、その他にも指揮棒の危険性だとか、ある種の権威の象徴としての指揮棒とか、それぞれの指揮者の経験に則った様々な話が書いてあります。少しだけ立ち読みしたのはミヒャエル・ギーレンの項目。インタビューなので体系的な話にはなりにくいのでしょう、却って様々なエピソードが出てきて読んでいて楽しいのです。特に他の指揮者に対する評価、例えば、ギーレンがみるところの、ピエール・モントゥーの長い指揮棒のメリットとか。ギーレンは指揮棒を持たない指揮者としてブーレーズを持ち出してきて、その手と腕による多彩な表現を褒めているんですが、ブーレーズも同じ本でインタビューにこたえてるので、そんな辺りを読んでみたいなあ。ということで、この本はそのうち買おうと思います。