マッケラスのモーツァルト再び

 サー・チャールズ・マッケラス指揮のスコットランド室内管弦楽団によるモーツァルト後期交響曲集。何回か聴いているうちに妙に気に入ってしまいました。iPodにいれて、電車が空いているときは新モーツァルト全集オンライン版のサイトからダウンロードしたスコアを眺めながら聴きいっています。各曲のすぐ後にベームベルリン・フィルのものを並べてあるんですが、マッケラスの第38番なんか、付点のリズムとかシンコペーション的な動きの部分など、キリッとしていていいですね。溌剌・颯爽という言葉がぴったりで、しかも細かなニュアンスというんでしょうか、陰影もある。
 もっとも、金管の音には今ひとつ慣れません。ナチュラル・ホルンにナチュラル・トランペットですから、仕方ないのかな。フォルテじゃない部分の音色はとても良いのですが。


 それにしても、今回初めて新モーツァルト全集 NEUE MOZART-AUSGABE (NMA)/国際モーツァルテウム財団のウェブからPDFの楽譜をダウンロードしてみたのですが、便利ですなぁ。良い時代になったものです。楽譜だけではなく校訂報告(ドイツ語ですが)なんかも載っています。太っ腹だなぁ。一昨年のモーツァルトイヤーに、交響曲だけまとめたベーレンライターのポケットスコア4巻組なんてのを楽譜屋さんで売っていまして、「交響曲全部はいらんなぁ。しかも、おいら、スコア読めるわけでもないし。」なんていって買い逃して後悔していた私ですので、これは非常にありがたい。眺めながら聴くだけでも十分に面白い、といったら半世紀以上にわたる成果を公開してくれている方々に失礼かもしれませんが。