なつかし番組

 あっという間に四月。エイプリル・フールだけど、気の利いた嘘すら思いつかないってのは悲しい。
 今日こそは「火星年代記」の第2部を観るぞぉっ!


 「火星年代記」もそうだけど・・・今日は朝起きたら古のTVシリーズ「権力と陰謀 大統領の密室」のテーマ曲が頭の中をぐるぐる廻っている。何故だか判らないのだが。・・・そこで当時夢中になってて今考えて「懐かしいな」と思えるテレビ番組ってどんなんがあるだろうと考えてみた。一応( )内は日本での放送年と思われるもの。

  1. 「スペース1999」(1977)
  2. 「権力と陰謀 大統領の密室」(1978)
  3. キャプテン・フューチャー」(1978〜79)
  4. 「ある少女の死」NHK・ドラマ人間模様(1981)
  5. 火星年代記」(1983)
  6. 「警察署長」(1985)
  7. 刑事コロンボのシリーズのいくつか

 この内、1はDVD化されたのを持ってて時々観る。3は再放送でがっかりしたというのを書いたと思う。
 2はニクソン政権をモデルにした群像劇で、一応の主人公はクリフ・ロバートソンが演じたCIA長官ビル・マーチン(モデルは実在の元CIA長官リチャード・ヘルムズ)。ニクソンの下で補佐官を務めウォーターゲート事件連座して服役したジョン・アーリックマンが書いた『ザ・カンパニー』*1が原作で、これは角川から翻訳が出ていた。映像ではモンクトン大統領(ニクソンがモデル)役のジェーソン・ロバーズや、原作者アーリックマンに対応するフランク・フラハティ補佐官*2役のロバート・ヴォーンの悪辣な振舞いが印象に残っている*3。あと、ヘンリー・キッシンジャーをモデルにしたテスラー博士とか。民主党政権下で取り立てられたCIA長官マーチン*4を排除してしまいたい新大統領モンクトン。CIAに関する秘密報告書*5や、モンクトン政権によるヴェトナム和平派や政敵潰しのための情報収集作戦*6を巡る、モンクトンとマーチンの暗闘。このドラマをきっかけに、ニクソンキッシンジャー回顧録まで買い込んで(というより買ってもらって)当時の政治状況についてお勉強したっけ。
 4は一番記憶が薄れている。何故ならその後再放送等に一切接していないから。たしか小林桂樹が病院長役で、腹痛を訴えてやってきた少女が実は腸捻転だったのを盲腸と誤診し死なせてしまうというドラマだった。河原崎長一郎が少女の父親役で、医療過誤の裁判が始まって、看護婦が真実を証言すべきかどうか悩む、といった感じで、「腸捻転」などという聞きなれない病気がまず驚きだったし、医療過誤と裁判という枠組みも当時の私には新鮮だった。
 そして6の『警察署長』(id:makinohashira:20061124参照)・・・3巻組のビデオ、本当に買っておけばよかったと後悔している*7。昨日アマゾンで本を注文するついでがあったので、原作のスチュアート・ウッズ「Chiefs」を頼んでおいた。ハヤカワ文庫の翻訳もダンボールの中からサルベージしなければ。

*1:「ザ・カンパニー」はCIAを指す隠語。

*2:フラハティは首席補佐官なので、現実のニクソン政権でこれに対応するのはハルデマン(ホールドマン)だが、ドラマを観た限りでは、外観や役割などからフラハティ:アーリックマン、タック・タルフォード:ハルデマンと考える方が自然だと思われる。

*3:ロバート・ボーンはこれによりエミー賞(シリーズドラマ助演男優)を得た。

*4:ビル・マーチンはカリー(ケネディ)政権下のCIAの要職にあり、アンダーソン(ジョンソン)政権で長官となったという設定。

*5:原作ではピッグス湾事件に関するプライムラ報告書、TV版では「CIAによる政治的暗殺」を扱ったプリミラ・リポート。ビル・マーチンの行動が記載されており、公開されればマーチンの失脚に繋がると考えられる。CIAの資料室に大統領以外は(CIA長官すらも!)持ち出せない資料として保管されている。

*6:その行き着く先が民主党選挙対策本部侵入事件=ウォーターゲート事件だが、このドラマではウォーターゲート事件は最後の最後、モンクトンとマーチンの闘いに決着がついてから発生する。それがドラマに余韻を与えることになっていて、なかなか良い構成である。

*7:そういえばYouTUBEで検索してみたら、デラノの街の発展初期、チャールトン・へストンと有力者達が初代警察署長を選ぶ場面5分ほどがあった。