読む

音と言葉(フルトヴェングラーじゃないよ)

金土日と出張ですた。昼間は仕事で夜は飲んだくれ、クタクタ。宿の寝床で明け方伸びをしたら左脚が攣りました。歳かなぁ。しょんぼり 今回の出張のお供はこんな本。 ゲオルギアーデスの「音楽と言語」講談社学術文庫です。特に声楽曲における音楽と言語の関…

ノモンハン

仕事の合間にアルヴィン・クックス「ノモンハン 草原の日ソ戦1939(上)(下)」(朝日新聞社)を拾い読み程度に再読。拾い読み程度といっても、引き込まれてしまう。特に、フイ高地の井置栄一中佐とその配下部隊の奮戦、そして井置中佐の強いられた自決。こ…

H・Mと不思議なパイプ 解決編

何故か元気に3日連続更新。 ヘンリー・メリヴェール卿と不思議なパイプのお話。「解決編」と銘打つ元になる記事は一年以上前(id:makinohashira:20060226#p1)。カーター・ディクスン(駒月雅子訳)「九人と死で十人だ」(国書刊行会・1999年)でのパイプを…

最後の晩餐の作り方

ブックオフで何となく買った文庫本、ジョン・ランチェスター「最後の晩餐の作り方」。原著は1996年、翻訳が2001年に出て、この文庫は2006年。訳者の解説を読むと、出た当初非常に話題になった本らしい。 料理エッセイのような体裁で、ユーモアと皮肉をたっぷ…

Chiefs

もう何日か前だけど、AmazonからStuart Woodsの「Chiefs」が届いた・・・が、がががっ、プロローグが抜けてるでやんの。ほんの2ページ分だけど、あれが無いとなんだかなぁなので交換してもらった。がっ、交換品も同じだった。むぅ。

チャーチルの将軍達

Churchill's Generals (Cassell Military Paperbacks)作者: John Keegan出版社/メーカー: Cassell発売日: 2007/05/01メディア: ペーパーバック クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る John Keegan, "Churchill's Generals" 連合国側の将軍達の葛藤…

品格

「読む」というカテゴリーにしてみましたが、実際はほとんど読んでないんですけど。「品格」ってぇのは便利な言葉ですな。本屋さんに行くと、ハードカバーも文庫も新書も雑誌も「品格」だらけ。というのはオーバーですが。それにしても・・・と思うわけです…

共和制の難しさ

タキトゥスの「年代記」は(絶対的)君主制の危うさを描写してました。読みながら何度も「当時の人たちは大変だったでしょう」と日記に書き記しました。 時代と政治的立場の全く異なるマキァヴェリの「フィレンツェ史」を読むと、共和制・民主主義の下でも状…

フィレンツェ史

大岩誠訳のマキャヴェリ「フィレンツェ史」上下二巻(岩波文庫)。古本屋さんで買ったまま積ん読状態だったのを読み始めてみました。 第1章は西ローマ滅亡から15世紀半ばまでのイタリア史概観で、第2章から本筋のフィレンツェ史が始まるのですが、第1章を読…

レベッカ

おいおい、随分と間が空いちまったな。 ってことで最近読んではまった本:ダフネ・デュ=モーリアの「レベッカ」(上・下)=新潮文庫。ブックオフの100円コーナーで入手。1938年の作品。サスペンスの古典ですな。古典を侮ってはいけませんね。どうして今ま…

三人のホームズ

ブックオフ100円コーナーシリーズ レストレード警部と三人のホームズ (新潮文庫)作者: M.J.トロー,後藤安彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1989/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るM.J.トロー「レストレード警部と三人のホームズ」 ホーム…

2006年の読書

無駄遣いのあおりで本当にブックオフの100円コーナーがお友達に。まあ100円コーナーのお陰でレン・デイトンの「SS-GB」を見つけられたわけですが。 今年読んだ冊数は、仕事に関係しない本全体で100冊強(再読含む)といった程度。平均すると1週間に2冊か・・…

女には向かない職業

散財の報いでブックオフの100円コーナーがお友達となった今日このごろ。古めの文庫本ばかり読んでいます。 女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: P.D.ジェイムズ,小泉喜美子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1987/09/01メディア: 文庫 クリッ…

脚色

Yahoo!動画の「名探偵ポワロ」ですが、手元に文庫の短編集『クリスマス・プディングの冒険』がありましたので、その中の「スペイン櫃の秘密」を例にとって、「このTVシリーズの脚色って良く考えてあるよなぁ」というのを備忘録的に記しておこうとおもいます…

茶道の哲学

茶道の哲学 (講談社学術文庫)作者: 久松真一,藤吉慈海出版社/メーカー: 講談社発売日: 1987/12/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (8件) を見る あまりの衝撃に、日本人としてのアイデンティテイーを取り戻すべく手にしたのが久…

スキナーのルール

スキナーのルール (創元推理文庫)作者: クィンティンジャーディン,Quintin Jardine,安倍昭至出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1997/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る ブックオフで100円だったので、買ってみました。エジンバラを舞台に…

ジーヴス

近頃の通勤のお供は、P. G. Wodehouseの「Carry on, Jeeves」 Carry On, Jeeves作者: P.G. Wodehouse出版社/メーカー: Penguin Books発売日: 2000/06/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る貴族のボンボンで金持ちぐうたら主人のバー…

バラバを!

ラーゲルクヴィストの「バラバ」を読み終えました。薄い本なのですが、結構時間がかかってしまいました。訳者等による解説まで読んでしまったので、その受け売りっぽくなっちゃいますが、バラバという現代人的な視線を備えた人間(しかもキリストの代わりに…

バラバ

バラバ (岩波文庫)作者: ラーゲルクヴィスト,P¨ar Lagerkvist,尾崎義出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1975/12/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (4件) を見る 古本屋さんで購入したラーゲルクヴィストのバラバ。1950年の作品…

舞台裏の神々再読

以前id:makinohashira:20050907#p2で触れた「舞台裏の神々」を再読。といってもまた立読みだったりします。 舞台裏の神々―指揮者と楽員の楽屋話作者: Rupert Sch¨ottle,ルーペルトシェトレ,喜多尾道冬出版社/メーカー: 音楽之友社発売日: 2004/11/01メディア…

メグレと死体刑事

夏の出張時に鞄なんぞ買ったのが響いて、金欠状態です。本は読みたし金は無し。図書館があるじゃないか!といっても少々遠いんですよね。でついつい仕事帰りにブックオフの100円コーナーへ。セツナイなぁ。 ジョルジュ・シムノン(長島良三訳)「メグレと死…

大いなる聴衆 その3

一昨日読み終えました。 「誰が」の部分についてはほぼ予想どおりでした。動機についても第4章のはじめの方でわかってしまいますし。ミステリとしては物足りなかったですね。解説にあるように共感できないキャラクター設定は敢えてだとしても、その設定自体…

大いなる聴衆 その2

永井するみ「大いなる聴衆」 一週間楽しめるとか書きながら、今日は仕事関係で移動時間が結構あったので、そこで読んでたら第3楽章(第3章)の終わりのほう、文庫版で397頁まで読んでしまいました。先が気になって読み進む、というのではなく、何となく読…

大いなる聴衆

本屋さんで岩波の「図書」の9月号を貰って帰って読んでいたら、青柳いづみこさんが記事を書いてますね。青柳さんといえばid:makinohashira:20050907で触れている「ピアニストが見たピアニスト」の著者です。この記事、連載なのかな。最近「図書」読んでなか…

独立革命

友清理士「アメリカ独立戦争(上)(下)」を読み返したものの、マカルーの「1776」には踏み込んでいません。 それにしても、1775年にレキシントン=コンコードでの衝突をきっかけに独立戦争が始まってから、アメリカ側の大規模かつ明確な勝利って1777年のサ…

架空史

ukyarapiさんの日記(id:ukyarapi:20060821)で「万華鏡の迷宮」という本が紹介されています。占領下のフランスでゲシュタポと組になったフランス人刑事が殺人事件の謎を追う、という筋らしく、「SS-GB」と似たところがあるようです。フランスは実際にドイツ…

酒の肴

酒の肴・抱樽酒話 (岩波文庫)作者: 青木正児出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1989/06/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (4件) を見る 散歩の途中で寄った古本屋さんでこんなのを買ってきました。和漢の古典などから酒と肴に…

SS-GBの続き

レン・デイトンの「SS-GB」の続き。日数はかかったものの時間はかからず、比較的あっさりと読み終えました。 何といってもドイツのお偉いさん達の大局を見る目の無さというのが泣けてきます。国王が幽閉されているということの意味も原爆開発の意味も、目先…

SS-GB

20年ほど前に出て、買わないでいるうちに消えてしまったレン・デイトンの「SS-GB」(ハヤカワ文庫上・下)。古本屋さんなどに入る機会があるとずっと探していたんですが、先日ブック・オフの105円コーナーで文庫の上下揃いがアッサリ見つかりました。 「SS-G…

The Historian 読了

コストヴァの「ヒストリアン」を読み終え(かつ聴き終え)ました。 ロッシ発見か?の後の筋はネタバレになりますから控えましょう。79章までで1954年の探索と1970年代の探索の二つにはケリがつき、ある程度の後日談も語られます。ここまでで十二分に哀しい余…